本日は、3年半ぶりに私のコレクションに加わった時計をご紹介します。
実は、この時計に出会ったのは私の店が買付けたボックスの中。目にした瞬間に心を奪われた。
タグには 1939年製 ハミルトン
10Kローズゴールドメッキとあった
このムーブにはベージュ文字盤に打ち抜きの数字や白文字盤に黒数字が大半でこの文字盤は初見。異彩を放つ文字盤だが派手さはなく目立たない「ひっそり系だが特別な文字盤だと一目で分かる」
調べて1939,40年に出した文字盤のようで1939年カタログ価格は42.50ドル(現在ドル換算では1000ドルほど)の時計。
時分針はシャープで美しいソード型に丸み加工で光を綺麗に取り込み視認性を上げている。同じく青焼の秒針と段付きのスモセコ、見た目は平面のスモセコだがキズミで覗くと半径4ミリに55本の筋目模様が彫られていた。パテック、ブレゲでも30本。これは0.07ミリ間隔で55本と数字が只者ではないことを証明した。ただ、分かって見ても単なる平面だ…
そしてインデックスは、ゴールドインレーと言う加工方法にケースと同じローズゴールドが選択され徹底したデザインの溶け込みを感じる。ゴールドインレーは金にプラチナなどの金属を混ぜた金合金で他の素材と適合性が良く高い耐久性もある。とても薄く貴金属としての価値は無いが手間は相当だ。
先ず複雑なフォントを綺麗に凹ませゴールドインレーを貼り、フォントの外周に沿って複雑な縁取で仕上げている。ここまでの素材と技術と手間を注ぐと100年前の針もフォントも劣化が見当たらない。
そして、文字盤上に光と影が交わる時、ゴールドインレーで作られた時間が黄金色に輝き始め、文字盤全体に光が満ちると12個の神々だけが黄金色の輝きを放ち、そして、光と共に消える。
本当に素晴らしい超絶技巧である。
この文字盤を眺めていると40年代のバセロンの金時計を眺めているようなそんな幸せを感じる。
この頃は世界大恐慌、安くてもモノが売れない時代、だからこそ、少ない予算に惜しみない技術を注いだ、時代の荒波が産み出したマスターピースだと思う。
この時計をお気に召した皆様は、是非、インターネットで探してみてください。
ここだけの話……
この時計は数百ドルからゲット出来るはず。数こそ稀少でしょうが、間違いなく時代の荒波が産み出したマスターピースです。
では また次